新しいサービス創出のためのキーデバイスに位置付ける
● パナソニックの奥田信夫グループマネージャー 「“電力メーター+『HD-PLC』モジュール”のモデルがグローバルに広がり始めました」
「実は電力メーターで世界トップシェアを誇る欧州系メーカーとの協業が始まっています」とパナソニック株式会社インダストリー営業本部テクノストーリー・マーケティンググループの奥田信夫グループマネージャーは明かす。「インフラが電力線しかなく、貧困に悩む地域をかかえる国はブラジル以外にもたくさんあります。世界共通の問題解決に『HD-PLC』が有効なことを、ブラジルの事例を見て気づいたようです」(奥田氏)。
奥田氏は「HD-PLC」モジュールを販売するパナソニックの電子デバイス部門のマーケティング責任者として、ブラジルをはじめ各国を飛び回っている。その欧州系電力メーターメーカーもグローバルな事業を展開しており、「HD-PLC」陣営と協力して世界シェアトップを誇る自社の電力メーターにも「HD-PLC」モジュールを組み込んだ、“ブラジルモデル”を“グローバルモデル” に広げようという思いがあるようだ。
その電力メーカーが「HD-PLC」モジュールの組み込みを検討し始めた理由は、格差問題解消への貢献だけではない。電力メーターを起点とした新しいサービスの創出への期待もある。「電力メーターは10年サイクルで使用される家とグリッド(電力網)を繋ぐゲートウェイです。グローバルには、電力事業会社は従来の一方通行の電力供給の世界から、双方向で家と繋がり、様々な提供サービスで競い合う時代に今後大きく変化します。エネルギーマネジメントは必然の要請ですし、電力線ネットワーク技術のHD-PLCへの期待は益々高まります。」(奥田氏)。
同社を含めた電力メーター業界は、遠隔検針を可能にするために電力線通信を活用している。しかし低速の電力線通信では、遠隔検針以外の用途には広がりにくいため、今後の新しいサービス開発の余地を作るためには高速の電力線通信が必要になる。その新しいサービスの一つがリアルタイムの電力消費量収集によるスマートグリッド支援、もう一つが電力網をネットワーク回線として使うことによるインターネット普及であり、それらを可能にする高速電力線通信が「HD-PLC」と位置づけているわけだ。
その他にも奥田氏は「ブラジルの関係者からは、既設のテレビでも地デジのリターンチャネルとして使えるよう『HD-PLC』を組み込んだ家庭用セットトップボックスのビジネスモデル構築を打診されています」と言う。また南米ではブラジル以外の国でも、日本と同じ方式の地上デジタル放送を採用する国が相次いでいる。そのためブラジル同様に経済格差に悩むこれらの国からの関心も高く、プロジェクトは早くもブラジル一国の枠を超えようとしている。
● ブラジルでは電力メーター以外にも「HD-PLC」活用の計画が進む。
写真はブラジルの電力系アライアンスAPTEL社社長と握手するパナソニックの奥田氏
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