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「スマートグリッド」実現の手法として「HD-PLC」が急浮上

地球温暖化の進行を防ぐために、電力の供給をITで最適化する「スマートグリッド」が米国など各国で提唱されている。スマートグリッドを実現するには家庭に設置する電力メーターの高機能化が欠かせないが、その高機能化の手法の一つとして高速電力線通信の「HD-PLC」がクローズアップされてきた。

スマートグリッドとは、ITを活用し、電力の流れを供給側・需要側から自動調節する次世代送電網。電力会社から家庭や企業に一方的に電力を送るだけの電力網から、家庭や企業と電力会社が双方向に電力を融通し合う電力網に発展させることを目指している。太陽光発電システムや燃料電池など環境に優しい発電設備の普及につながるとされており、オバマ米大統領は「グリーン・ニューディール」政策の一環としてスマートグリッドの構築に大規模な予算を投じる方針を表明。欧州や日本などでもスマートグリッドを目指す具体的な技術開発や営業活動が始まっている。

双方向の電力供給実現のカギを握るのは、家庭などに設置する電力メーターの双方向対応だ。現在の電力メーターは使用電力量を測定するだけのものが大半で、家庭から電力会社へ提供する電力の量や情報などを電力会社が随時収集することはできない。そこで電力会社と家庭が双方向に情報をやり取りできる電力メーター、すなわちネットワークを利用できる電力メーターが必要になってくる。そのネットワーク技術の有力候補に「HD-PLC」が挙がっているのだ。

広帯域でなくては意味がない

実は電力メーターに電力線通信の機能を持たせる動きは、スマートグリッドが話題になる以前から欧州で始まっており、導入も一部で進んでいる。しかしその通信速度は数100kbpsレベル。家庭の使用電力量を電力会社が自動で計測するのには使えても、スマートグリッド実現には十分とは言えない。

スマートグリッドでCO2排出削減を進めるためには、家庭がどの程度発電しているのか、どのぐらいの電力量を家庭から購入できるのかを、電力会社がリアルタイムに近い頻度で確認する必要がある。電力会社はその情報をもとに発電所の稼働を最適化して、過剰な発電を抑えることが可能になるからだ。現在議論されているスマートグリッドでは、15~30分に1回家庭での発電量などを計測することが求められている。電力料金課金のために月1回程度計測するならともかく、頻繁にかつ双方向に情報を確認するためには、従来よりも広帯域な電力線通信が必要なのだ。

頻繁に情報を確認する必要がある理由は他にもある。将来的に太陽光発電が広く普及した場合、家庭からの電力が過大になったり、周波数の安定しない電力が流れ込んだりして、電力網全体に影響が及ぶことがありうる。太陽光発電の現在の普及レベルでは起こりえないものの、スマートグリッドによる本格普及の際には、家庭から購入する電力をより細かく監視する仕組みが必要になってくるのである。

電力メーターに「HD-PLC」モジュールを内蔵することで電力の双方向供給を実現し、発電所の負荷軽減でCO2削減を進める

電力メーターに「HD-PLC」モジュールを内蔵することで電力の双方向供給を実現し、発電所の負荷軽減でCO2削減を進める

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