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特集

●——御社の重要なプロダクトには無線LAN関連商品もあります。自社製品間での競合を招くことになりませんか?

細野: 無線LANと「HD-PLC」は競合せず、すみ分けると思っています。無線LANの利点は機器をネットワークにつないだまま自由に移動できることにありますよね。つまり、テレビやセット・トップ・ボックスのように、ほとんど移動することのない機器は、無線LANを使う必要はないと思うのです。こうした据え置き型の機器なら、無線LANより高速でのデータ通信が可能な「HD-PLC」の方が適していると考えたのです。

細野昭雄社長

安定した通信ができるのもPLCの利点です。無線LANはいったんつながっても、何らかの原因で、突然つながらなくことがあります。その点、技術のベースが有線である「HD-PLC」はいったんつながってしまえば、家の電磁波の状態が変化しても影響を受ける可能性は無線を使う通信システムと比較すると圧倒的に少なく、安定的に使い続けられる可能性が大きいのです。

“つながらない”はありえない

●——御社ではユニークなサービスを用意していますよね。つながらなかったときに購入代金を返す「AAA」(トリプルエー)というプログラムです。ということは「HD-PLC」でも、つながらないのかと気になってしまいますが?

細野: 誤解を恐れずに言うと、「HD-PLC」で"つながらない"は技術的にはありえないのです。実際には返金に至った例はほとんどありません。

新しい方式である「HD-PLC」を普及させるには、新しいものに対するお客様の漠然とした不安を取り除くことがまず第一です。そのためには「AAA」のようなプログラムを用意することで、お客様に安心感を提供していくことこそが重要である、と考えています。

●——アライアンスに加盟しているのも、「HD-PLC」の普及を進めたいという思いからなのですね。

細野: パソコン関係や家電にとどまらず車や航空機などの配線への応用や、電力モニタリングなどにも拡大していく可能性がある「HD-PLC」のような規格は、一社だけが頑張ってもどうしようもありません。当社が「HD-PLC」対応製品の発売を考え始めたころから、HD-PLCアライアンスのような団体が必要と考えていたので、発足と同時に参画したのです。

「HD-PLC」というユニークな仕組みであらゆるものがネットワークにつながる社会を築くうえで、今後さまざまな実験や、まったく新しい規格作りの必要が出てくる可能性もあります。HD-PLCアライアンスの加盟企業の一社として、当社も、よりチャレンジングな活動に積極的にかかわっていきたいと考えています。

略歴

細野昭雄 株式会社アイ・オー・データ機器 代表取締役社長

石川県金沢市生まれ。1976年、地元金沢でアイ・オー・データ機器を創業し、ワンチップマイコンを利用した織機管理システムなどを手掛けた。1980年にPC周辺機器分野へ本格参入。増設メモリボードなどの人気で、国内有数のPC周辺機器メーカーに成長させる。
同社を経営する傍ら、石川県情報システム工業会の会長を務め、地元IT産業の育成に尽力。最近では、若手経営者との交流を積極的に行い、次世代を担う経営者の育成にも精力的に取り組んでいる。

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